養育費
目次
養育費とは
養育費とは子供が親から自立するまで養育してもらうための費用です。実際には、子供を実際に引き取って育てている親が、もう一方の親から子供を育てていくための費用を分担してもらうという形で養育費は支払われています。
夫婦は離婚すれば他人になるわけですが、親と子供の関係はなんら変わるものではありません。したがって養育費は、親であれば当然負担しなければいけないなので、特に取り決めがなくても養育費を支払う義務はあります。たとえ経済的に困窮していても、自分自身が生活している以上、養育費は支払わなければいけないものです。
ただ、養育費は法律でどれぐらい支払わなければならないか?ということが定められておりません。 ですから、養育費の相場で判断せざる終えません。養育費の相場に関して、ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
養育費の時効
養育費に時効がない、とお考えのあなた・・・一般的に”養育費には時効がない”という情報がネット上に溢れていますが、正確には半分正しく、半分は間違っているとも言えます。
まず「養育費を請求しうる地位」自体には時効がありません。もしお子さんが養育費をもらっていない場合、成人に達するまではいつでも養育費を請求することができます。ですから「離婚から○年経って時効にかかったから養育費を請求できない」ということはなく、その意味では「養育費に時効はない」といって間違いないといえるでしょう。
しかし、もしあなたが養育費について何らかの契約を交わしていた場合は、養育費は契約内容によって、時効期間が5年もしくは10年になります。 例えば、「毎年100万円」という年ごとの養育費を定めた場合は、養育費の時効期間は、10年になります。
つまり養育費が未払いになってから10年後に、10年前からこれまでの分を全部支払えと言っても、10年前の養育費は時効にかかり請求することができません。逆に、時効にかかっていない9年分の未払い分については請求することができます。
一方、「毎月7万円」のように月単位で支払う養育費の定めなら、時効期間はは5年となります。つまり、5年前に未払いになっている分の養育費は時効にかかり請求することができない、ということです。
逆に、時効にかかっていない4年分の養育費は当然請求することができます。 5年、10年という時効は長いようですが、過ぎてしまえばあっという間です。養育費が未払いになったら「後で落ち着いたときに・・・」などと考えず、速やかに請求しておいた方が良いでしょう。
法律の言葉は一見簡単そうに見えて、その奥にはかなり深い意味が含まれていることが多いのです。 養育費は大切な子供の権利です。私たちRiaの離婚専門家は、このわかりにくい法律の言葉の意味を、できるかぎりわかりやすくお伝えしていきたいと思っておりますので、養育費の取り決め、未払いになった養育費の請求、養育費の金額変更手続き等、養育費に関してお悩みの方はお気軽にご相談ください。
養育費の支払義務と離婚原因は別
養育費は、夫婦がどういった原因で離婚に至ったのか、どちらがどう責任がある離婚だったのか等に関わらず支払わなければならないものです。
「妻が不倫をして離婚原因を作ったんだから養育費は支払いたくない」ということを言われる方もいらっしゃいますが、養育費はあくまでも子供のためのものです。
夫婦の離婚原因に関わらず、養育費は子供のために支払わなければなりません。離婚の原因によっては、養育費の支払いに前向きになりにくいケースがあるとは思いますが「養育費は子供が受け取る権利」と考えて、キチンと支払うようにしましょう。
養育費の支払期間
養育費は、通常は成人(20歳)に達するまで支払われるべきものですが、夫婦の間で話し合って、18歳までとか、大学を卒業するまで、社会人になるまでというように決めることができます。
ただし、もし「養育費を20歳になるまで支払う」と決めたとしても、例えば、子供が16歳で結婚した場合は、その子は未成年であっても「成人した」とみなされるので養育費の支払い義務はなくなります。
また、逆に離婚前の両親ともに大学を卒業していたような場合、 その子が大学に進学する場合などは、大学卒業まで養育費を支払うべきだと裁判で判断されたケースもあります。
養育費の支払期間は必ずしも「成人(20歳)に達するまで」と決まっているわけではありませんのでご注意下さい。
ちなみに、養育費は「月々いくら」という形で支払うのがほとんどですが、「半年に1度」「年に1度」というように一定期間の養育費をまとめて支払っても構いません。当事者のライフスタイル等にも合わせて、無理のない柔軟な取り決めをしていきましょう。
養育費の相場(金額)
「養育費の相場はどれくらいだろう」という漠然とした疑問を持たれる方も多いかと思いますが、養育費は「当事者の所得金額(年収)」「自営・給与所得の別)「子供の年齢」「子供の人数」等を考慮して決めることになりますので、一概に「養育費はいくら」とお答えすることはできません。
養育費は、上記事情等に加え「今後子供のためにいくら投じる覚悟があるか」などについて、両親がじっくりと話し合った上で決めることになりますが、最低限夫婦のどちらが引き取ったとしても、子供が両親と同程度の生活ができるよう配慮した取り決めにする必要があります。
一般的に、子供一人当たりの養育費は月に3万円から6万円位が多いようですが、皆様の置かれた事情はそれぞれ異なります。詳しくは下記の養育費早見表をご参照ください。 この養育費算定早見表が現在養育費を算定する際、もっとも主流の方法となっています。
この養育費算定表は、裁判官などで組織した東京・大阪養育費等研究会が作成し、平成15年に発表したものです。現在では、家庭裁判所で行われる離婚調停において、養育費の話し合いを行うときの参考資料として広く活用されていますが、養育費早見表はあくまでも「目安」に過ぎません。
実際にどのような金額にするかは、それぞれの事情に応じた検討が必要になりますので、詳しくはRiaの離婚専門家までお問い合せ下さい。
なお、こちらの養育費早見表の「年収」とは、給与所得者の場合「源泉徴収票の支払金額」をいい、自営業者の場合「課税される所得金額」を指します。
営業者の場合、課税標準を計算する上での収入金額(売上金額)が養育費算定の総収入となるのではないことに注意しておきましょう。
養育費早見表の見方
養育費早見表の「年収」とは
養育費早見表の見方養育費早見表の「年収」とは・給与所得者の場合「源泉徴収票の支払金額」をいい、 ・自営業者の場合「課税される所得金額」を指します。
※自営業者の場合、課税標準を計算する上での収入金額(売上金額)が養育費算定の総収入となるのではないことに注意してください。
当事者の年収等がわからない場合
養育費は、夫婦の資力や生活水準などを目安に決めるとお話ししましたが、当事者が収入等についての資料の提出をしない場合や提出資料の信頼性が乏しい場合には、賃金センサス等を利用して適宜推計することがあります。
また、権利者(養育費を受ける方)が十分稼動できる環境にあるのに稼動していない場合には、統計資料によって潜在的稼働能力の推計を行うこともあります。
※但し、子が幼い場合に現実に稼動していない権利者の潜在的稼働能力を推計することについては、慎重に検討する必要があります。
個別的要素も考慮する
養育費算定表はあくまで標準的な養育費を簡易迅速に算出することを目的とするものですから、最終的な養育費は各事案の個別的要素をも考慮して定める必要があります。
しかし、個別的事情といっても通常の範囲内のものは、標準化するに当たって、既にこの養育費算定表の額の幅の中で考慮されていますので、養育費算定表の幅を超えるような額の算定を要する場合は、この養育費算定表で養育費を決めることが著しく不公平となるような特別な事情がある場合に限られます。
たとえば「住宅のローンを負担している」などという事情は既に養育費算定表の中で考慮されているので別途の考慮は要しない、ということです。
養育費が決まらないとき
まずは協議、ダメなら調停
養育費は、まず夫婦の話し合いでその金額を決めていきます。しかし、夫婦の話し合いでどうしても養育費の額が決まらない場合は、家庭裁判所に「養育費請求の調停」を申し立てます。 そこで相手を呼び出し、調停委員を介して適当な養育費の額や支払い方法等を決めていきます。
しかし、そこでも養育費が決まらないような場合は、自動的に審判に移行します。なお、養育費請求の調停は子供自身が「扶養料」として請求することも可能ですが、その場合は親権者が子供の代理人として請求することになります。
養育費を請求する調停の申立方法
申立先
相手側の住民票のある地域の家庭裁判所もしくは双方で合意した家庭裁判所
申立人
父または母