ドメスティックバイオレンス(DV)とは
目次
ドメスティックバイオレンスとは?
DVドメスティックバイオレンス(DV)とは、夫や恋人など親密な関係にある男性からふるわれる、女性に対する暴力を表現する意味であることは一般的に誰もが知るほど普及しましたね。しかし、現在では女性が男性に対して振るう暴力のDVも激増しています。
家庭内で、親密な関係の中で起こる暴力は、これまで犯罪として認識されにくい面がありました。その理由としてプライベートな男女関係に、他人が介入するべきではないという、慣習的なことや、へたに介入して逆恨みされるのがいやだったりとの考え方があるからだと思います。
しかし、2001年のDV防止法の施行によって”DVは犯罪である”という認識が急速に高まりました。そして、2002・4月からは全国で配偶者暴力センター(DVセンター)がスタートしました。都道府県が設置する、婦人相談所やその他の施設がその役割を果たしています。
DVは、被害者がおかれている関係や状況も、被害者と加害者との関係も、被害者が心身に受けるダメージも人それぞれに違います。ですから、誰にでも通用するDVの定義や、DV問題に対する解決の正解は存在しないといわれます。それほどDVという問題はやっかいな問題です。
しかし、DVには類似する行動パターンが存在することがわかってきました。ここでは、基本の暴力男に泣く妻たちが連日どのような被害を受けているのか、他の事例をみて自分が受けているDV問題の解決の糸口してほしい願います。
そして誰にでも暴力を受けない、安全な生活を送る権利があります。DVは貴方の責任ではありません。DV男は、一言で言うと「持って生まれた血筋」と幼児期や生育期に両親又は父・母の一方から受けた育児法と家庭環境によって性格や性質が決定づけられてしまった後天性の男性もいるといわれています。
DVは一種の精神的障害の病気でもあり、人格や気質の改善は非常に難しいといわれています。
こんな夫にしたのは貴女の責任とか、貴女にも責任がある、などよく耳にしますが、それは全く本人やその家族の責任転嫁であり、DVは決してあなたの責任ではありません。
DVを受けたときの相談先
DV(ドメスティックバイオレンス)DVの被害を受けて、とにかく子どもと逃げ出すのが精一杯だったら・・・・。婚姻費用の請求なんて、とても出来ないというケースがあります。
この場合は、離婚が成立していなくても児童扶養手当が受給できる場合もあります。DVの被害者であることが明らかで、その状態になってから1年以上経過していれば、法律上は配偶者がいることになっていても母子家庭が受けられる行政支援が同じように受けられます。
もちろん、児童扶養手当を受ける前に逃げ出して住む場所も無いような場合は、行政・民間のシェルターに保護してもらうことができます。 DV被害を受けている場合、まずはお住まいの男女共同参画センター、女性センターのDV窓口で相談をしてみてください。
DV被害の実態
一口にDVと言ってもその態様は様々で、大まかに以下のようなに分類することができます。
- 精神的DV→何を言っても無視する
- 性的DV→避妊に協力しない。セックスを強要する
- 経済的DV→生活費を渡さないなどで相手を経済的に支配する
- 対物的DV→周囲の物を破壊して威圧感や恐怖感を与える
- その他のDV→行動を監視したり規制したりして、社会的に隔離する行為
それでは以下にDVの具体的な事例を掲げます。
身体的DV
精神的DV
- 大声で怒鳴る
- 実家や友人と付き合いを制限する
- 電話やメールや手紙を細かくチェックする
- 殴るそぶりや、物を投げつける素振りをする
- 「誰のおかげで生活できてると思ってるんだ」などとののしる
- 人の前でバカにしたり、命令口調でものを言う
- 大切にしているものを壊したり、捨てたりする
- 外で働くことを禁止する
- 生活費を渡さない
- 子どもに危害を加えると言っておどす
- 何を言っても無視して、口をきかない
- 自尊心を低下させる
- 食事に関していやがらせをする
- 凶器を見せ付ける
性的DV
- いやがっているのに、性行為を強要する
- 避妊に協力しない
- 見たくないのに、ポルノビデオやポルノ雑誌をみせる
- 中絶を強要する
- 変質的な行為を強制する
- 一方的な形のセックスをする
- 子どもの父親が自分であるかを疑う
DVは繰り返す
DVの被害者は不思議なくらいDV夫をかばいます。例えば「彼の暴力(DV)はおさまった?」と聞くと、「彼のあの日、お酒に酔っていたから」 「たまたま虫の居所が悪かったから」 「私にも落ち度があったから」 「彼の暴力は一過性のものよ」などといった回答が返ってきます。
DV夫は妻のそのような心を見透かしており、「お酒に酔ってしまってごめん」など弁解し、激しい暴力が終わるとその直後か翌日には別人のように優しくなったりします。
また、DV夫は外見上おとなしそうで、他人は「この人が妻に暴行を加える」とは思えないほど人当たりがとてもよいのが特徴です。
被害者(妻)は、優しい彼が本当の姿だと思い込もうとしていますが、残念なことに、暴力(DV)は再発し、常習的になるという特徴を持っています。
暴力とやさしさの繰り返しのサイクルを重ねていきながら、暴力はエスカレートして行き最終的にはDV夫が妻子を殺したり、家に石油をまいて放火して心中することになり、このような事件は連日のように報道されているとおりです。
DVの解決法
DVには、残念ながら決定的な解決法はありません。DVは人格障害者です。せめて、DV防止法を活用したり、あきらめずに裁判離婚までして離婚を勝ち取ったり、配偶者暴力相談支援センター(DVセンター・都道府県の婦人相談所)を利用してください。
また、一時保護施設や民間シェルターもありますので、DVセンターで相談してください。秘密は絶対に守ってくれますので心を決めて行動することが、DVで泣かされ続けてきた苦しみから逃れる第一歩です。
保護命令
家庭内で暴力を受けた方が警察に訴えた場合、DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)という法律が適用されますが、DV対策とし一般的に知られる「保護命令」はこのDV法の中にある制度です。
たとえば、夫が妻に対して暴力を振るった場合は、保護命令の内容の一つとして接近禁止命令や退去命令を出してもらうことができます。
保護命令に従わない場合「一年以下の懲役又は100万円以下の罰金」を受ける可能性があり、仕事をしている者であれば、懲役をくらえば強制退社もありえますし、さらに前科者となってしまします。
それでも対象者が保護命令に従わない場合、あるいはその可能性がある場合は、まずは最寄の警察に相談しましょう。
接近禁止命令とは
接近禁止命令とは、6ヶ月間、被害者に付きまとったり、あるいは、住居等の付近を徘徊する事を禁止する命令です。
退去命令とは
退去命令とは、2週間、被害者と共に生活の本拠としている住居から退去することを命じる命令です。
保護命令の申立方法
保護命令を出してもらうには、まず医師の診断書、暴力後の写真等、申立てを裏付けるような資料を用意して、相手方の住所地を管轄する地方裁判所、申立人の住所又は居所を管轄する地方裁判所、暴力が行われた地を管轄する地方裁判所のいずれかで保護命令を申し立てることができます。
保護命令の申立てをする際注意すべき点として、申立書等は、相手方(暴力を振るった配偶者)が見たり、コピーしたりすることができます。ですから、申立人が避難先等を知られたくない場合には、従前の住所等を申立人の住所として記載するなどの注意が必要です。
保護命令の条件
- 配偶者(夫・妻)から、暴力を受けること
ここでいう「暴力」は身体に対する暴力に限定されます。 - 配偶者(元配偶者を含む)からのさらなる身体に対する暴力により、その生命又は身体に重大な危害を受ける恐れがあること。
- 子供への接近禁止命令を求める場合、配偶者(元配偶者を含む)が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていること又はその他の事情があること。
申立てが受理されると、速やかに話し合いが行われることになっています。